【公的勇者】ソーサリー主人公が高卒公務員だった場合

スティーブジャクソンの傑作「ソーサリー」のプレイ小説。 愚痴と不満が渦巻くニヒリズムファンタジー

ビリタンティは、ちょうどハロウィンの真っ最中だった。

この村では今がその祭りの時期なんだ。

子供たちがいたずらではしゃぎまわるのはいいんだけど、中にはエールで酔っぱらって狼藉を働いてる奴もいてさ。

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あまりハメを外し過ぎると叩かれるぞ。

来年参加するやつがアホ扱いされるからやめとけよな。

 

向こうのほうに宿屋があるんだけど、手前に<グランドレイガー酒場>っていういかめしい名前の看板と、<クリスタルの滝>っていうおもてなしっぽい標識があるのが目に付く。

 

のちのち大問題になりそうだから<クリスタルの滝>は避けて、究極技の名前みたいな<グランドレイガー酒場>へ行ってみよう。

 

店の前では少年たちによる集団格闘が展開されているが、ガン無視を決め込む。

ちなみにクリスタルの滝へ向かう道の前には少女たちがたむろして、そこを通る大人たちに足を引っかけて躓かせては笑いあってる。それでいいのかこの村?

 

店に入ると陽気なグランドレイガーが温かく迎えてくれた。

にこやかな笑顔とともに、たった1杯のエールに金貨2枚の価格を要求した。

クリスタタンティで入った居酒屋の2倍の金額だ。

グランドレイガーのにこやかな顔が、逆に怖い。値段を言う時の目が笑ってないんだ。

店の前で暴れてる乱暴そうな少年たちが、店内には全く入り込む様子が無い理由がよくわかる。

少しでもグランドレイガーにちょっかいを出したら、二度と生きて店を出られないことを皆知ってるに違いないぞ。

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さて、たかがエール1杯に金貨2枚を要求された僕。

厳密には値段を聞いただけで、まだ注文してないのだけど、グランドレイガーは僕の顔から一度も目をそらすことなくジョッキにエールを注ぎ、台に置いた

ダッシュで店を飛び出して逃亡しようという気持ちも湧いたけど、瞬時に悟ったんだ。

僕がグランドレイガーに背を見せて逃走を図った瞬間、かれはこう叫ぶに違いない。

 

「ギルティ」

それは呪文じゃない。

店の前で暴れる少年たちへの指令だ。

一瞬で僕は取り押さえられるだろう

そして、ミニマイトのジャンは僕の魔法を封じ、逃がさないための保険に違いない。

完璧な包囲網にかかってしまった僕には、もはや指定どおりの価格を受け入れる以外の方法はないだろう。

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この迷惑な生き物は自分の名を「ジャン」と名乗った。

迷惑なくせにやけに親し気でさ。

前方の村はビリタンティで、村人は親切だから、旅人たちはみなここで1泊はしていくと怪しいガイド情報を僕に聞かせてくるんだ。

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客引きのバイトでもしてるんじゃないのか?

僕はそんな簡単に言いなりにならないからな。

 

だいたい、どうせお前も村情報には詳しいけど、アナランドでGOGOトラベルキャンペーンの対象地域からカクハバードが外されたなんて知らんだろう。

 

「アナランド、やっちゃったね。ククク…、『圧倒的にカクハバード問題』とかいって、急にこの一帯をGOGO除外地域にしちゃったでしょ?」

…コイツ、知ってやがる。

 

「でね、2か月後くらいに急に解除するよ。それから2カ月くらいしてやっぱり問題が起きると『カクハバード地区から要請があれば、各首長の責任においてまた除外』ってやりだすよきっと」

オマエ、どこまで知ってるんだ…?

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どうやらとんでもない情報通らしい。きっとコイツの住まいは2階にあるな。

とにかく僕はコイツに用がない。

それどころかコイツのせいで命取りになることは必定。

去ねさらせ!

 

「いうよね~!」

僕を嘲笑うかのようにジャンは言う。

「でも、どうしてもついて行くからね~!」

 

ムカつくから両手でパチンと叩き潰してやろうとするんだけど、やはりコイツは動きが速すぎて捉えられない。

しばらく頑張ったけど諦めることにした。

仕方なく、僕はジャンを肩に止まらせたまま丘を下り、ビリタンティ村へ向かうことにした。
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まんまと客引きに成功した格好のコイツに、いくらのバックがあるんだろうか?

そう考えるとムカムカする。

 

それに、コイツを引き連れたままだと魔法が使えない

 

ジャンがビリタンティ専属だったら、魔法封印状態は村を出るまでの間だから何とかなるかもしれないけど、もしも「シャムタンティ担当」だったら、この先もずっとこのままで、カーレの街に入るまで僕は戦士と同じ行動しかとれない。

 

魔法使いは呪文習得に時間を取られるので、戦士よりフィジカル面で弱いのが普通だから、呪文が使えない魔法使いは、ひとことで言えば「戦士の劣化版」だ。これはマズい。

 

そして、まさかとは思うけどジャンが「カクハバード担当」だったら、うっかりコイツに目を付けられてしまった僕の冒険は、終わる…。

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(試してみるべきだな)

ミニマイトと魔法使いの関係性についてを

 

初めて使う洗剤は、衣類の目立たない部分で試すのがセオリー。

もし色柄落ちする相性のものだったら、ダメージデカいからね。

 

だから僕も、今のうちにミニマイトに試してみるよ。

強めの魔法を使ってみて、それでも効かなかいなら、僕はこの旅始まって以来最大の危機に直面することになる。敵の罠にかかったときとか戦闘の最中にそのことを知るのは最悪だから、何も起きていないこの状況で実験しておきたい。

 

動きがすばしこいから、コイツ自身にかける魔法じゃ上手くいかない気がする。

だから、僕との間に壁を作り出してみよう。

その間に見つからないほど遠くへ離れれば、何とかしのげると思う。

 

「WAL」

あらゆる飛び道具も生き物もはねつける、見えない壁が出現する。

これでミニマイトの動きを封じ込めれば、魔法効果が切れるまでの間に、僕は逃げおおせると思う。

WALは強力な呪文だからね。

 

前方の村はかなり大きくて人も多そうだから、あの中へ逃げ込めればひとまず安全じゃないかな。

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…だが、壁を出したにもかかわらず、後ずさる僕にミニマイトは平然と近づいてくる。

壁は僕の鼻先に出したはずなのに…

 

ミニマイトはクックッと笑う。

「ぼくがそばにいるあいだは、魔法をかけようったって時間のむだなのさ」

ドヤ顔でそう僕に告げた。

これが、エルフ商人が僕に教えてくれた言葉「ミニマイトと会ったら走れ」の理由だったんだな…。

 

それに、魔法をかけるのは時間よりもむしろ体力のムダだ。

WALは基本魔法のひとつで、効果こそ絶大だけど、体力の消費が激しい。

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(メタ記述)

WAL詠唱は体力ポイント4を失う。

体力ポイント:15→11

 

これは、終わったかもしれない。

一休みなんかしなければよかった。

魔法を使えない魔法使いは、使えない公務員だ。

ミニマイトがそばにいる限り、僕は任務など達成できないと思う。

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