僕はここで、JIGの魔法を選択した。

さっき買った竹笛が、さっそく役立つときだ。

 

剣を立てて迫ってくる山賊ふたりに向き合ったまま、僕は呪文を唱え、笛に唇をあてた

(何してるんだ、コイツ?)という訝し気な表情が、山賊たちの顔に一瞬よぎる。

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 まだ、自分たちのこの先の運命を知らずにいるのだろうな。

どうやら魔法の知識はなさそうだしね。

 

僕は、目の前に迫ってくる刃先を感じながら、すばやく笛に息を吹き込んでいく。

笛の音色が響くと同時に、体のコントロールを失って驚然とする二人

 

振り下ろそうとした剣がヘナヘナと下がっていく。

そのままあらぬ方向へ突き出したかと思うと、しまいには手から取り落とした。

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剣を手放した彼らはギクシャクとぎこちなく手足を動かし、その場で下手なダンスが始まった。

こうなれば、後は完全に僕の思うがままになる

これがJIGの魔法だ。

 

僕は演奏のテンポを徐々に上げ、それにつれて彼らの動きは激しくなる。

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JIGの呪文は、媒体に使うのが笛であるがゆえに、魔法呪文の中でも珍しく強弱のコントロールが利くんだ。

あと、効果時間が長続きする点でも特異なものだし、特にこんな場合は便利この上ない。

 

僕が山賊たちをしばらく躍らせていると、二人とも疲労のせいで息が上がってくる。

注意深く様子をうかがい、苦悶の表情がまやかしでないことを確認してから、村へ戻るよう命じ、音量を上げた

 

もはや足元が危なっかしくなってるけど、それでも彼らは踊りの歩を進め、僕から遠ざかっていく。

僕も笛を吹きながら背を向けて歩き出し、その場から遠ざかる。

 

途中でドサッと倒れる音が小さく聞こえてきた。

たぶん疲労で立てなくなったんだと思う。

ただ、笛の音色が聞こえる限りは、彼らの意思で踊りを止めることはできない

 

もうじき音が届く距離の限度を超えて魔法の効力は失せるはずだけど、そうなっても連中はしばらく動けないだろう。

魔法使いならではの撃退だね。

 

初戦、勝利!

充分な戦果だったと思うよ。

 

(メタ記述)
魔法の呪文は体力ポイントを消費しますが、道具を使うタイプのものは媒体の力を借りるため、失うポイントは一律で「1」。

主人公の体力ポイントは、今回のJIG使用により「20」⇒「19」になりました。

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