右か左か迷ったとき、人は無意識に左を選択するケースが多い。
だから、罠があるとすれば左に隠されていると思え。

ねんどろいど HUNTER×HUNTER クラピカ ノンスケール ABS&PVC製 塗装済み可動フィギュア
これは、僕が生まれ育ったアナランドに古くから伝わる格言で、どこかの国のクラピカという賢人が発した言葉らしい。
ただし、これは経験則がベースの仮説にすぎないと僕は思うんだ。
科学的じゃないよね。
前も言ったけど、魔法使いは超のつく現実主義者でね。
基本的にこういったものは信用しないんだ。
とはいっても実績から導き出されたものである以上、この局面で左へ進むのは何とも嫌な気分だ。
ということで僕は左を選ぶよ。
これは何度か話したけど、せっかく嫌なことをしているんだから、その最中はできる限り嫌なことを追求していくのが僕のスタイルだからさ。
やがて僕の行く手に、大きな石の扉が出現して、そこで足を止めざるを得なくなった。
でもここで引き返したら、何のためにリスク覚悟で忍び込んだかわからない。
もちろん進むさ。
僕は扉の取っ手に手をかけてみた。開くぞ。
そっと開いた扉からのぞき込むと、中はそんなに広くない。
ホコリですすけて汚い部屋の奥に、また別な扉があって、そこからさらに奥へ進めそうだ。
是非とも坑道の最奥を目指して探検をしたいとこだけど、ひとつ問題があるんだよね。
大きな問題が、さ。
どうもここは事務室らしくて、奥のデスクに誰かが突っ伏して眠ってるんだ。
目を凝らすと、どうやらそれはゴブリンらしい。
たぶん、外で働いてたゴブリンたちの監督者なんだろう。
あの連中の勤怠管理とかしてるんだろうね。
で、作業員たちが外で労働しているこの時間帯は、少し手が空いて居眠りしてるんじゃないかな。
僕にとっては都合がいい。そのまま寝ててくれよ。
この部屋を通り抜けて先へ進むまで、コイツに気づかれないようにしなくては。
にほんブログ村
コメント