呪文で開けた扉を抜けて部屋へ入り込むと、そこはかなりの広さだった。

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たぶん何かの倉庫だろうね。

部屋の一角には黒い岩石が山盛りに積みあげられてる。

石炭か? 粉塵とかいろいろ気になるよね。室内だし。

これ、厚生省にはちゃんと報告してるのか? 

防護マスクとか置かれてる様子はないし、健康被害とかアウトなレベルじゃ…?

 

山積みの岩石のそばにはバケツが置かれていて、そこにも別な岩石が入ってるんだけど、こっちのはロウソクの光に反射して鈍く光っている

 

たぶん、山積みの岩石から選別された価値のある鉱石入りのものが集められてるんだろうな。

そういえば石炭とダイヤって、物質的には近いはずだよね。

まさかね。でもここは鉱山だし、こういう屋内作業場みたいなところに、結構なお宝があるかもしれない。

希少鉱石が厚生省のビール券に変わってるとか、疑いたくなってくるな。

 

手持ちの金貨がすっかり減っている僕は、おこぼれを期待しながら部屋の真ん中へ視線を移動させた。

するとそこには、妙な機械が置かれててさ。

圧縮機か石切り装置かな?

 

「!」

声にならない驚愕とはまさにこのことだ。

薄暗い部屋だから気づかなかった。

断続的に響く「ゴゴゴゴゴ…」という音は、坑道のどこかで鳴っているとばかり思ってたけど、発生源はこの部屋だったんだ。

 

機械には ジョジョ ひとりのオーガ向かい合って、せっせと機械を動かしている。

背中がこっちを向いてて、僕の存在には気づいてないようだ。

一方の端から岩を落として機械のハンドルを回すと、岩が砕けて鉱石が取り出せるようになってるらしいね。

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僕はドアに背を付けたまま、ようやく薄暗さに慣れてきた目で、もう一度素早く室内を見渡した。

どうやらこの倉庫、広い割にはこのオーガしかいないみたいだ。

ま、砕岩機が1個しかないからだろうけど。

 

せっかく呪文を使って入った部屋だけど、収穫はなし。リスクだけだ。

オーガとのご対面はご免だね

誰もいない部屋でお宝を物色したいんだよ、僕は。

 

でも、その願いはむなしかった。

僕が後ろ手で扉の取っ手を探っていると、オーガは急に振り向いて僕を見た

気づいてたのか!

 

オーガは恐ろしい声で、いきなり恫喝してきた。

さっきのゴブリンもそうだったけど、どうして最初からマウントを取りに来るんだコイツら。

どうやら、とんでもないブラックなんじゃないか?

 

僕は中抜きが大嫌いだけど、ブラックも同じくらい大嫌いなんだ。

こういうヤツをのさばらせておくから、下層民の生きづらい世の中が醸成されていくんだ。

残り体力のことを忘れて、僕はオーガに立ち向かった

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