倒れているゴブリンたちの懐を探ったら、金貨が2枚見つかった。
金欠だったからこれはありがたいね。
それから、1人目のゴブリンの脇に落ちている歯が8本。
これもなかなかいいね。魔法の道具になるし。
(メタ記述)
金貨:4→6
ゴブリンの歯:4→12
苦労はしたけど、それなりの収穫とともに鉱山を後にした僕は、今度はひたすら下って森を抜けていく。
日が傾きかけると、ゆうべの狼男のことが頭をよぎる。
今の状態でもう一回あれに出会ったら、今度こそジ・エンドかもね。
夜行生物の出現におびえつつ急ぎ足で歩いていると、前方の丘の中腹に小さな村が見えてきた。
罠とかは無しで頼むぜ。
カントパーニみたいに、通過させて待ち伏せとか絶対やめてくれよな。
安全な場所であることに一縷の望みをかけ、僕はいっそうに足を早めた。
村へ入っていくと、カントパーニの時とは全く違った意味で、僕はよそ者感を味わうことになった。
ここの連中はみな髪を長くのばして、頭の上に高々と結い上げてるんだ。
そうか、ここはクリスタタンティの村だった。
この一帯はカクハバード地区の中では、かなりのんびりした山間地域の農村って感じで、アナランド環境庁の名水百選に選ばれる泉や河川がいくつもあり、観光地として人気のある村だ。
そんな背景があるせいか、アナランドで至宝【王たちの冠】が盗まれ、世界に危機が訪れつつある今の状況も、このクリスタタンティにはさしたる影響を与えていないようだ。
桃源郷ってのは、まさにこういうところのことをいうのかね。
時間の流れが止まったかのような伸びやかな空気。
宿屋で落ち着く前に居酒屋でも入って、より一層にこの村の雰囲気を味わいたいね。
その土地へ行き、静かにその土地の「気」を感じるのが旅の醍醐味だね。
ただいつもどおりに騒ぐだけなら、別に旅行へ行かなくたってできるし。
世界中が騒然としてる中じゃあ、旅行先の人たちだって、ただバカ騒ぎする連中なんて迷惑なだけだと思うよ。
言いたいことは色々あるけど、とにかく僕は、一軒の居酒屋のドアを押した。
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