クリスタタンティの村へ入り、一軒の居酒屋を見つけた僕は、夕闇が村を覆う刻限に、一時の憩いを求めて中へ入った。

店内には、ひと目でここの村人と判るいでたち(頭の上に結い上げた髪)の客があちこちに座っている。

仲間とはしゃぐ一団もいれば、静かに飲み物の器を傾ける一人客もいる。

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見慣れぬ僕の姿に全員の視線が集中し、賑やかだった店内は一気に静まりかえった。

ヤバいのか? なんかヤバいのか?

 

でもクリスタタンティもカントパーニと同じく、外部からの来訪者を想定して宿屋もあるし、観光地として人気のこの村へ訪れる旅行客は、カントパーニなどとは比較にならない多さのはずだよ。

居酒屋に異郷の旅人が入店するくらいは普通にあるはずだし、ここまで奇異な目で見られる理由はないと思うけど。

 

(そうか!GOGOのせいか)

さすがにこの話は、世事に疎いクリスタタンティといえども、大きな関心事だったと思うんだ。

 

 

アナランドがマンパンの大魔王に盗まれた【王たちの冠】を取り戻すために組まれた補正予算の額は莫大だ。

なんたって、そのせいで世界的な危機がおとずれているからね

責任を負ったアナランドとしては、自国の財布をひっくり返してでも、この世界の至宝を取り返さなくちゃならないことになった。

当然だよね。

 

だから、〇○の一つ覚えのように消費増税し、児童手当を制限し、困窮者の補助は見ぬフリ、そして議員給与は絶対聖域として決して削減には手を付けずにひたすら領民負担だけを課し、多額の緊急補正予算を組んだ。

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その多額な予算の内訳の中で最も多額なのが、今の僕が担当している奪還事業だ。

当たり前だけどね。すべてがこれありきなんだから。

 

なのに、その実施担当者である僕の身の回りには、分厚い予算の片鱗も感じられないんだ。

そのことは、これまでの経緯で分かったでしょ?

僕以外に、マンパンへ乗り込む人間は居ない

自分でいうのはアレだけど、はっきり言って、今、世界の平和は僕一人の双肩にかかってる

 

世界のために命がけの任務を命じられた、たった一人の担当者である僕が、任務遂行上の必需品を買うのに「買うか、買うまいか?」で半日も悩んでる状況ってどうなの?

それに今だって1食浮かすために昨日からメシ抜きなんだよ。

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