(僕はGOGO使ってない!)
クリスタタンティの居酒屋へ入店した僕を、胡散臭そうに眺める村人たちの視線が痛い。
かろうじて店主だけが僕に声をかけてくれるけど、たった1杯のエールで金貨1枚を取ると言いだした。
ジョッキ1杯のエールなんて、観光地でもせいぜい銀貨1枚がいいところだ。
(オイオイ! カクハバード地区はGOGO対象外になったんだぜ!)
文句を言いたいとこだけど、現在アナランドでは、客だからって店主に難癖つけて営業妨害するクソ客行為は慎む傾向にあるから、あまりギャアギャアは言いたくない。
(仕方ない)
僕はバカ高いエール代を払うことにして、飲み物を受け取ってしわしわの老人の隣に腰かけた。
静まり返ってしまった店内は相変わらずで、全員の視線は僕に集中しっ放しでどうにも居心地が悪い。
カクハバードはGOGO利用対象外になってるから補助は受けてないことを説明したいとこだけど、ここはまず、季節がらみの話題で場を和まそう。
道がぬかるんで大変だったと、参りきった顔つきでひとりごとを言うと、老人は「ウンウン」と相づちを打ち、会話が始まった。
土地の人間が僕を受け入れたせいなのか、それとも実はこの老人は2階にでも住んで権力を握っているのかはわからないけど、ようやく店の客たちは僕への警戒を解いて、元の喧騒が戻った。
どうやら老人は1階住まいのただの農夫で、単に情報ツウなだけだったらしい。
「旅の人よ。この村を抜けると道が二手に分かれてな。一方はアリアンナの家のそばを通るぞ」
アリアンナ…
この先のダンパス地区なら環境調査で何度も行ったが、アリアンナという名は聞いたことがないな。
「もしアリアンナが家にいたら、あんたは少々頭を使わにゃならんぞ」
クイズ王か? クイズ王なのか? アリアンナって…
「もう一方の道は丘を登って、大いなる者の領分リー・キへ通じておる」
シャンカーの最高地点に到達したから、もう登るのは充分だ。
それに、デッカイやつと戦うのはしばらくごめんだね。
べつに「大いなる者」が体のデカさとは誰も言ってないし、そもそも戦うって決まってるわけじゃないが…
「わしはあんたにシンドラの幸運が舞い込むよう祈っとるでな。それからこれを持って行きなさい」
ボンバという名で、これを食べ物と一緒に摂取すると、体力が倍ほども回復するらしい。
今の僕にとって、これほどうれしいものはない。
ありがとうよ。じっちゃん。
僕は老人に礼を言って、居酒屋をあとにした。
(メタ記述)
老人との出会いで運勢ポイント2の回復指示あり
ステータス
主人公:技量8(+1広刃の剣) 体力3 運勢ポイント7→8(初期値のため回復は1だけ)
金貨:6→5(エールの代金で1減少)
食料:3
持ち物:なまくらの剣、竹笛、ゴブリンの歯12、ジャイアントの歯1、デス・ハウンドの歯、スナッタキャットの歯、サルの歯、銀の鍵(111)、金貨10枚分の宝石2、ボンバの実
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