箱の中身はなんだろな?
宝箱を開ける瞬間のワクワクドキドキ感はたまらないね。
しかも、アリアンナは魔法の道具を3つもくれる。
内容にもよるけど、市価で金貨10枚程度はくだらないんじゃないかな?
開いてみるとそこに入っていたのは、
・にかわの入った小さな薬瓶
・二股に分かれた奇妙な鼻栓
・玉石4個
(う~ん…)
僕が欲しいのは、自分の攻撃強化か、相手からの攻撃回避に役立つ魔法呪文の道具なんだよね。
まあ、この道具ならトラップ設置とか逃亡とか、あとは目くらましなんかに使えそうだから、中らずといえど遠からずって感じかな。
ただ、売りものだったらまず買わないっていうくらいの微妙なラインナップだ。
アリアンナ。
たぶん僕たち、付き合ったら色んなとこでズレが生じそうだね。
たぶんムリ(←何様だ僕は?)
でも美人は3日で飽きるっていうし…
彼女はさらに、食器棚の引き出しのひとつから袋を取り出して中身を見せた。
そこには金貨が7枚。
これも僕にくれるという。
アリアンナァァアアア!
好きだ! 付き合ってくれぇ!(←最低なヤツ)
もうこのままアリアンナのイヌになろうかと思案する僕を見て、彼女はくすくすと笑っている。
さすがに本心を見抜かれたかとハッと後悔し、僕は脱出イベント楽しかったよと礼を言って、恥ずかしい姿を早々に彼女の前から消そうと、戸口へと向かった。
「このアリアンナは、戦いもせずにほうびの品をあげたりしませんわ!」
僕の肩に手を置いて引き止めたアリアンナは、まるで宣言するかのように高らかに言い放った。
ちょっと……どういうこと?
イベントは終了したはずだけど、あれは第1ステージで、ここからがとうとうクイズ王対決?
負けたら今の賞品と賞金は没収とかさ。
なら最初から言えよ!
ゲームもののマンガってさ、主人公がバトルのルールを知らされなさすぎで、敵が完全に「言ったもの勝ち」形式で進むけど、あれはマンガ、これは現実だよ!