こんな辺鄙な場所にまでハンナの魔の手が伸びているのか?
言っとくがここはダンパス。離島じゃないんだぞ。
買い物した店の商人から、まさかのジョブ型労働を提案された僕は、もしハンナの手先ならばこのオヤジをぶった斬ってやろうと剣の柄に手をかけながら事情を聞いた。
僕の剣幕に引き気味な商人の話によると、どうやらお友達の個人宅で、裏庭の汚水溜めを新設したいので人足を探しているということだ。
地元の口利きによる直接の案件であり、あくまでもお友達同士の直取引にすぎないと言う。
ハンナがらみではないことがわかって、頭にのぼっていた血は下がった。
僕はその仕事を引き受けることにして、現場へ向かうために商店をあとにした。
あ、それから「お友だち」って言葉、今はかなり刺激の強い単語だから、へたに使わないほうがイイよ。
僕は親切に商人へのアドバイスを施しておいた。
現場へ到着して詳しく話を聞くと、かなり大きな貯水池を掘る計画のようだ。
個人使用でそこまでの設備が必要か?
これも、シャンカー鉱山内からの排気と同じく、任務を終えた後の調査対象としてマークしておこう。
とりあえず、今からだと完全な夜間労働になるな。
今は出張中だから勤務時間については好き勝手にしていいけど、公務員は兼業禁止だからそっちが問題だね。
ま、あのケタクソ悪い本庁の会計担当が、僕への支出をケチったことがすべての原因てことでよろしく。
僕は兼業で稼ぐよ(一晩だけだけどさ)
支給された弁当を食べたはいいが、一睡もせずに夜明かしは、明日のことを考えると避けておきたい。
ならばここも、いっちょ魔法を使おう。
「BIG」
3倍に巨大化した僕はたちまちのうちに仕事を完了させ、おかげで朝までの残りの時間は眠ることができた。
翌朝、手間賃として金貨3枚を受け取った僕は臨時のジョブ型労働を終え、兼業したことによる若干の罪悪感とともにダンパスをあとにした。
(メタ記述)
ステータス
主人公:技量8(+1広刃の剣)
体力11→13(夜勤の弁当が提供された)→11(BIG使用)→13(睡眠で回復)
運勢ポイント8
金貨:11→7(スカルキャップ購入)→10(ジョブ型労働の賃金)
食料:3
持ち物:なまくらの剣、竹笛、ゴブリンの歯12、ジャイアントの歯1、デス・ハウンドの歯、スナッタキャットの歯、サルの歯、銀の鍵(111)、金貨10枚分の宝石1、にかわ入り薬瓶、鼻栓、玉石4、スカルキャップ
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