若き美女アリアンナとしたかったクイズバトルを、まさかこんな老人とすることになるなんて、思いもしなかった。

ああ、アリアンナ(右のほうね)。
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君とはたぶん性格は合わないと思うけど、手料理を食べさせてほしい。

そしてその後デュエルして、最後に一緒にチェキ撮らせてほしい…

貧乏公務員の僕も、いつかはその悦楽に浸ることができるだろうか?

 

イカ~ン!

僕までアリラーおじさんたちの仲間になりかけてる。

だいたい、僕にはアリアンナと楽しむ財力なんてない。

冠を取り戻したら、特殊勤務手当の支給を交渉しようかな?

ムリだろうな、あいつが居るかぎり。
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でも何かの形で金一封くらいくれないと割に合わないよ。

そしたらもう一度アリアンナと…

 

「クックック」という老人の笑いによって、僕は現実に引き戻された。

鼻の穴が膨らんだところを見られたらしい。
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お、オンナのことなんて考えてないんだからねっ!

「第1問じゃ」

小馬鹿にしたように老人は言い、問題文を口にした。

 

「とらわれの魔女、住んでいるのは森のなか」

ギクッ!

「悪知恵働くこの女」

まさかまさか、見てたんじゃないか?

昨日の、僕とアリアンナのアレを…

動画か? あの配信見てたのかコイツ…

ひょっとしてこの爺さんもアリラーでは…?

あり得る。

 

クリスタタンティで会ったあの老人も、ほぼ間違いなくアリラーだったしね。

中高年男の粘っこい妄執を惹きつける妙齢の美女の魔力に、この爺さんも取り込まれているに違いないんだ。

で、何を聞く気だ? ってか脅しか?

 

でも僕は檻に閉じ込められた彼女を呪文で助け出して、賞品と賞金もらった後はウッドゴーレムをけしかけられて退散しただけで、特にイケないこととか何もしてないぞ。

何を言わされたって大丈夫なはずだ。

 

なのに何だ? なんだ? …何だこの精神攻撃は?

額にじっとりとした汗が噴き出す。

やましいことは何もしてない。

たしかに妄想はしたケド。

でもそれくらいいいじゃないか!

 Mino-dame

(アンサイクロペディアより)

老人は僕の目をじっと見つめたまま動かない。

「ファイナルアンサー」か?

それ言う気か?

ってかモンタ…いやアンタ、まだ質問してないじゃん?

 

「もしも…」

ハイ…

「もしも存じているならば、まずは答えてもらおうか」

なに? ナニ? 知らないってそんな…僕ノゾキとかしてないし!

何か知ってるって決めつけてるならやめて。僕ホントそんなんじゃないし!

 

「女はなんと呼ばれているか、女の名前は何なのか?」

 

アリアンナっスひょうしぬけ)

 

「ファイナルアンサー?」

イヤわかるでしょ?

老人はジッと僕の目を見つめて動かない。
(出典:https://minkara.carview.co.jp/userid/1321471/blog/43919850/)
mino

なんとなく半笑いなのがムカつくんだよな。

標識に出すほど有名なんだから、そのくらいわかるっしょ!

ムダに間、取るのやめて、そういうのホント意味ないから、ね。頼むよホント。わかった?

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