(試してみるべきだな)
ミニマイトと魔法使いの関係性についてを
初めて使う洗剤は、衣類の目立たない部分で試すのがセオリー。
もし色柄落ちする相性のものだったら、ダメージデカいからね。
だから僕も、今のうちにミニマイトに試してみるよ。
強めの魔法を使ってみて、それでも効かなかいなら、僕はこの旅始まって以来最大の危機に直面することになる。敵の罠にかかったときとか戦闘の最中にそのことを知るのは最悪だから、何も起きていないこの状況で実験しておきたい。
動きがすばしこいから、コイツ自身にかける魔法じゃ上手くいかない気がする。
だから、僕との間に壁を作り出してみよう。
その間に見つからないほど遠くへ離れれば、何とかしのげると思う。
「WAL」
あらゆる飛び道具も生き物もはねつける、見えない壁が出現する。
これでミニマイトの動きを封じ込めれば、魔法効果が切れるまでの間に、僕は逃げおおせると思う。
WALは強力な呪文だからね。
前方の村はかなり大きくて人も多そうだから、あの中へ逃げ込めればひとまず安全じゃないかな。
…だが、壁を出したにもかかわらず、後ずさる僕にミニマイトは平然と近づいてくる。
壁は僕の鼻先に出したはずなのに…
ミニマイトはクックッと笑う。
「ぼくがそばにいるあいだは、魔法をかけようったって時間のむだなのさ」
ドヤ顔でそう僕に告げた。
これが、エルフ商人が僕に教えてくれた言葉「ミニマイトと会ったら走れ」の理由だったんだな…。
それに、魔法をかけるのは時間よりもむしろ体力のムダだ。
WALは基本魔法のひとつで、効果こそ絶大だけど、体力の消費が激しい。
(メタ記述)
WAL詠唱は体力ポイント4を失う。
体力ポイント:15→11
これは、終わったかもしれない。
一休みなんかしなければよかった。
魔法を使えない魔法使いは、使えない公務員だ。
ミニマイトがそばにいる限り、僕は任務など達成できないと思う。
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