ビリタンティは、ちょうどハロウィンの真っ最中だった。

この村では今がその祭りの時期なんだ。

子供たちがいたずらではしゃぎまわるのはいいんだけど、中にはエールで酔っぱらって狼藉を働いてる奴もいてさ。

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あまりハメを外し過ぎると叩かれるぞ。

来年参加するやつがアホ扱いされるからやめとけよな。

 

向こうのほうに宿屋があるんだけど、手前に<グランドレイガー酒場>っていういかめしい名前の看板と、<クリスタルの滝>っていうおもてなしっぽい標識があるのが目に付く。

 

のちのち大問題になりそうだから<クリスタルの滝>は避けて、究極技の名前みたいな<グランドレイガー酒場>へ行ってみよう。

 

店の前では少年たちによる集団格闘が展開されているが、ガン無視を決め込む。

ちなみにクリスタルの滝へ向かう道の前には少女たちがたむろして、そこを通る大人たちに足を引っかけて躓かせては笑いあってる。それでいいのかこの村?

 

店に入ると陽気なグランドレイガーが温かく迎えてくれた。

にこやかな笑顔とともに、たった1杯のエールに金貨2枚の価格を要求した。

クリスタタンティで入った居酒屋の2倍の金額だ。

グランドレイガーのにこやかな顔が、逆に怖い。値段を言う時の目が笑ってないんだ。

店の前で暴れてる乱暴そうな少年たちが、店内には全く入り込む様子が無い理由がよくわかる。

少しでもグランドレイガーにちょっかいを出したら、二度と生きて店を出られないことを皆知ってるに違いないぞ。

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さて、たかがエール1杯に金貨2枚を要求された僕。

厳密には値段を聞いただけで、まだ注文してないのだけど、グランドレイガーは僕の顔から一度も目をそらすことなくジョッキにエールを注ぎ、台に置いた

ダッシュで店を飛び出して逃亡しようという気持ちも湧いたけど、瞬時に悟ったんだ。

僕がグランドレイガーに背を見せて逃走を図った瞬間、かれはこう叫ぶに違いない。

 

「ギルティ」

それは呪文じゃない。

店の前で暴れる少年たちへの指令だ。

一瞬で僕は取り押さえられるだろう

そして、ミニマイトのジャンは僕の魔法を封じ、逃がさないための保険に違いない。

完璧な包囲網にかかってしまった僕には、もはや指定どおりの価格を受け入れる以外の方法はないだろう。

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