【公的勇者】ソーサリー主人公が高卒公務員だった場合

スティーブジャクソンの傑作「ソーサリー」のプレイ小説。 愚痴と不満が渦巻くニヒリズムファンタジー

カテゴリ: 2日目(5月27日)

「チッ」

値打ち物は見つからなかった。

どこかに何かを隠してるみたいなんだよな。

というのは、ゴブリンが首に銀の鍵をかけてるからね。

 

肌身離さず身に付けてるなんて、絶対にお宝のありかの鍵だと思うんだよね。

鍵には「111」という数字が刻まれている
これが使える部屋さえ見つかればなぁ…。

 

この鍵を使って入る部屋の手掛かりを求めてあちこち探したけど、結局見つからなかった。

仕方なく鍵を背負い袋に入れた僕は、当初の目的どおり、この部屋を突っ切って奥むことにした。

111の鍵を使う扉が、この先にあると思うんだ。

 

奥の扉の蝶番の滑りの良いこと…

よほど556を念入りに吹き付けたんだろうね。

ってことはさ、だれか偉い政治家とかがここ通ってるんじゃない

ザ・ナカヌキ・ボーナスステージで確保した巨富の隠し場所とかさ…

僕は期待に胸を膨らませ、ひときわスムーズに開く扉を開けた。

 

扉を抜けると、そこは真っ暗な通路だった。

(なんだ? ここは)

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どうも危険なにおいがするんだ。罠の存在がひしひしと感じられる

ひょっとして意思111の鍵に釣られてやって来た侵入者を仕留める仕掛けでもあるんじゃないか?

 

怪我とかしても病院にかかるお金はないし、とにかく罠には用心したほうがいいと思う。

そして、クラピカ理論なんてものに頼らなくても、僕ら魔法使いにはそんなときに唱えるべき呪文がある。

 

「SUS」

これは、罠の存在を感じた時に有効な呪文だよ。

 

テレパシーが作用して注意の要否が判別できるだけでなく、注意すべき時には最上の防御策も指示してくれるすぐれものの魔法だ。

それだけでも充分ありがたいのに、さらにもし万が一、その時すでに罠に落ちてしまっていても、被害を最小限にとどめてくれることさえあるんだ。

 

道具が不要でお手軽に使えるわりに、かなりチート級の技だよね。

 

そして、テレパシーは僕に告げてくる

危険だからこれ以上進むな、と。

これは従うべきだね。

僕は引き返すことにした。中抜き野郎の罠にかかって死ぬなんてゴメンだからね。

 

(メタ記述)
道具不用の【SUS】を唱えたため体力ポイントを2消費した。
主人公:技量8(+1広刃の剣) 体力10→8

道具:なまくらの剣、竹笛、ゴブリンの歯4、ジャイアントの歯1、デス・ハウンドの歯、スナッタキャットの歯、サルの歯、蜜蝋1回分、銀の鍵(111)

食料:3

金貨:4

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中抜きの手先・現場監督ゴブリンを倒した僕は、ヤツの最後っ屁みたいな罠にかかることもなく、最初の分かれ道へ引き返してきた。

しかし、SUSまで使って体力消費した割に、値打ち物にはありつけなかったな。

 

となれば、これで坑道を出てしまうなんてありえないよね。

僕は、さっき選ばなかったもう一方の道へ進むことにした。

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消去法のすえクラピカ理論どおりに右へ進んでみると、そこはまたしても扉だ。

取っ手に力をかけてみたけど今度は動かない。施錠されてるな。

 

念のため扉に耳をあてると、中から何かの音がしてる気もするんだけど、坑道内はずっと何かしらの音が反響しててさ。

部屋の中から聞こえる音か、どこかの音がこの扉に反響して鳴ってるのか、イマイチ判別が難しいんだ。

 

中に誰かいるとしたら、ガチャガチャと音を立ててこじ開けるのはマズい

やめとくか?

すっぱり諦める選択もアリだけど、やはりもうひと押ししよう。

 

体力的にきついけど、魔法を使うことにした。

魔法をこんな大盤振る舞いするなんて、普段はまずありえないね。

旅行気分で開放的になってるのかな?

それとも、国家から解放された高揚感?

 

「DOP」

これは、鍵のかかった扉を開く呪文だよ。

魔法で閉じられた扉には効果が無いけど、物理的な施錠なら問題ない。

呆気なく扉は開き、僕は部屋へ入った。

 

(メタ記述)
道具不要のDOPの呪文は、体力ポイント2を失う

主人公:技量8(+1広刃の剣) 体力8→6

 

呪文の連続使用のせいか、ちょっとクラッとした。

さすがにそろそろ体力がヤバいね。

もうこのへんで、坑道の探索は止めようと思う。

 

ちなみに今の状態で最も避けたいのは、ガチの戦闘だね。

アナランドを出発してから数回戦ったけど、今のところガチの戦いは1度もしてないから、いわゆる「フィジカルに弱い魔法使い」的なスタイルを貫いてる僕。

イイ感じなんじゃないかな?

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戦士はこんな時、全部ガチの戦闘で対応しなくちゃならないから、本当にご苦労様な職種だよね。

僕ら魔法使いたちの間では戦士職の公務員のことを『消耗さん』って呼んでるくらいなんだ。

面と向かっては絶対に言えないけどさ。

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呪文で開けた扉を抜けて部屋へ入り込むと、そこはかなりの広さだった。

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たぶん何かの倉庫だろうね。

部屋の一角には黒い岩石が山盛りに積みあげられてる。

石炭か? 粉塵とかいろいろ気になるよね。室内だし。

これ、厚生省にはちゃんと報告してるのか? 

防護マスクとか置かれてる様子はないし、健康被害とかアウトなレベルじゃ…?

 

山積みの岩石のそばにはバケツが置かれていて、そこにも別な岩石が入ってるんだけど、こっちのはロウソクの光に反射して鈍く光っている

 

たぶん、山積みの岩石から選別された価値のある鉱石入りのものが集められてるんだろうな。

そういえば石炭とダイヤって、物質的には近いはずだよね。

まさかね。でもここは鉱山だし、こういう屋内作業場みたいなところに、結構なお宝があるかもしれない。

希少鉱石が厚生省のビール券に変わってるとか、疑いたくなってくるな。

 

手持ちの金貨がすっかり減っている僕は、おこぼれを期待しながら部屋の真ん中へ視線を移動させた。

するとそこには、妙な機械が置かれててさ。

圧縮機か石切り装置かな?

 

「!」

声にならない驚愕とはまさにこのことだ。

薄暗い部屋だから気づかなかった。

断続的に響く「ゴゴゴゴゴ…」という音は、坑道のどこかで鳴っているとばかり思ってたけど、発生源はこの部屋だったんだ。

 

機械には ジョジョ ひとりのオーガ向かい合って、せっせと機械を動かしている。

背中がこっちを向いてて、僕の存在には気づいてないようだ。

一方の端から岩を落として機械のハンドルを回すと、岩が砕けて鉱石が取り出せるようになってるらしいね。

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僕はドアに背を付けたまま、ようやく薄暗さに慣れてきた目で、もう一度素早く室内を見渡した。

どうやらこの倉庫、広い割にはこのオーガしかいないみたいだ。

ま、砕岩機が1個しかないからだろうけど。

 

せっかく呪文を使って入った部屋だけど、収穫はなし。リスクだけだ。

オーガとのご対面はご免だね

誰もいない部屋でお宝を物色したいんだよ、僕は。

 

でも、その願いはむなしかった。

僕が後ろ手で扉の取っ手を探っていると、オーガは急に振り向いて僕を見た

気づいてたのか!

 

オーガは恐ろしい声で、いきなり恫喝してきた。

さっきのゴブリンもそうだったけど、どうして最初からマウントを取りに来るんだコイツら。

どうやら、とんでもないブラックなんじゃないか?

 

僕は中抜きが大嫌いだけど、ブラックも同じくらい大嫌いなんだ。

こういうヤツをのさばらせておくから、下層民の生きづらい世の中が醸成されていくんだ。

残り体力のことを忘れて、僕はオーガに立ち向かった

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オーガの体は、昨夜僕を襲ってきた狼男よりは小さいけど、それでもやっぱり見上げるばかりの巨漢だ。

それに、広背筋と上腕二頭筋あたりの躍動感が、けた外れな腕っぷしの強さを顕わにしている。

おまけに指先は、鉄みたいな爪で覆われてるから、ある意味刃物を10本持ってるようなもんかな

 

はたして、素手じゃないとはいえ、僕程度が生身で立ち向かって勝てる相手か?

いや、たとえ勝てたとしても、かなり被弾してしまうのでは?

 

(メタ記述)
主人公:技量8(+1広刃の剣) 体力6

オーガ:技量8 体力7

 

やはり、補助魔法を一発撃っておいて戦うのがよさそうだね。

 

「DIM」

これは混乱魔法だ。相手が混乱状態に陥る

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オーガは突進をやめた。

キョロキョロと落ち着かない視線で自分の身体と僕を交互に見たかと思うと、今度はブツブツ言いながら数歩退いていく。

たぶん、ひとつの意識を長く保てない状態になってるね。

一気にカタを付けよう。

 

(メタ記述)道具不要のDIM発動により、体力ポイントを2失う
主人公:技量8(+1広刃の剣) 体力6→4

オーガ:技量8→4(混乱状態で技量半減) 体力7

 

途中、かなり伯仲した接戦のときもあったけど、オーガは僕の前に崩れ落ちた。

一応、ブラック野郎の冥福を祈ると、僕はさっそく室内を物色し始めた。

削岩機か砕岩機か知らんが、これが気になるんだよね。

 

厚生省に肩入れするつもりはないけど、岩の粉砕による粉塵発生の状況を調べてみたいんだ。

ってのはホラ、健康被害の起きる劣悪な労働環境で働かせてたっていうことを暴いて、民意も問うことができるじゃない?

 

それにさ、厚生省は労働環境のほうしか問題にしないだろうけど、この部屋の換気の仕組みや、排出された粉塵が鉱山のどっち側の気流に乗るかによって、西側にあるアナランドへの影響は違ってくる。

排出規制をかけなくちゃならない状況かもしれないし、環境庁としては黙ってられないよね。

 

「なんだこりゃ!」

砕岩機のハンドルを回そうとしたけど、固くてちっとも動かない

思い切り体重をかけても、ビクともしないぞ。

僕はさっき見たオーガの広背筋や上腕二頭筋の発達ぶりを思い出した。

この機械を動かすには、あの程度まで体を造りこむ必要があるんだな。

 

テーブルには、オーガの作業が終わった岩が2つ乗っている。

やはり、バケツの中にあった鈍く光る岩石は値打ち物だったようだ。

この機械にかけると、宝石の素と言えるほどの半加工がなされるらしい。

さらに研磨をかければ宝石の出来上がりってわけだ。

 

バケツの中には選別済みの岩があるし、もしも自分で機械を回せれば、この半加工品をもっと作れるのに…。

 

惜しいが、この2つだけで良しとしよう。

最終仕上げ前のものだから正確な価値が出ないけど、この宝石1個は金貨10枚相当にはなりそうだ。

 1098973_s

でも「相当」だからお釣りをもらうのは難しそうだね。

できるだけ10枚に近いものを買ったときの交換材料にしよう。

 

僕は部屋を出て、さっきの分かれ道に戻った。

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もうここまででいいだろう。

僕は坑道を出ることにした。

体力の限界だし、とりあえずゴブリンのいた事務室奥の罠の廊下以外は全部見たからね。

 

厚生省が縄張りを主張して僕たちに開放しない屋内施設は、意外に少なかったわけだけど、どうやら粉塵被害を受ける労働者と、鉱山内作業で発生する微小粒子状物質の処理には問題がありそうだね。

 

でもさ…

事務室の奥に罠があるってことは、裏を返せばそこには他人を入れたくない理由があるってことだよね。

今回は別件の業務があるからここまでにしとくけど、【王たちの冠】の奪還が終わったら、今度はあの真っ暗な廊下の奥まで進んでみよう。

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さて、洞窟入り口にはたくさんのゴブリンがいるから、連中に気づかれないようにしないとね。

 

(メタ記述)
運だめし(強制)が発生。サイコロ2個の結果は【9】

失敗(不運)だ・・orz

運勢ポイント8→7 失敗したうえに、次回のハードルが上がる。あんまりだ・・

 

クソッ!

3人に見つかった!

僕を取り囲み、3方向から狙ってきた。

こいつらは弱いけど、いっぺんに相手するのはどう考えても厄介だ。

剣は1本だから、一度に相手にできるのはひとりなんでね。

 

(メタ記述)
主人公:技量8(+1広刃の剣) 体力4
ゴブリン1:技量5 体力4

ゴブリン2:技量6 体力4

ゴブリン3:技量4 体力5

 

戦闘がまともにできる体力じゃないよ。

ここは一発、呪文に賭けて乗り切ろう。

敵の絶対数を減らすことに特化した、攻撃強化魔法でいくしかない!

 

「RAZ」

さっき現場監督ゴブリンに使った、剣の切れ味を上昇させる魔法だよ。

蜜蝋を剣に塗って使うんだけど、これで残りを使い切った。

 

(メタ記述)
RAZは道具を使う呪文なので、体力を1消費(蜜蝋1→0)

主人公:技量8(+1広刃の剣) 体力4→3

これマジヤバいっす!!

 

ハァッ・・ハァッ・・

危なかった。

やはりゴブリンだからと舐めてかかってはいけない。

敵が複数のときは、他の2人の攻撃は防ぐだけになるから、もしも相手の攻撃が勝ると一方的に喰らっちゃうんだよね。

だから、RAZを使った一撃死を狙ったのが功を奏したね。

 

(メタ記述)主人公:技量8(+1広刃の剣) 体力3

複数戦闘のルールを忘れたまま終了してしまい、やり直しました。今後はしっかり記憶にとどめておきます。

あと、なぜゴブリンと戦ったのかは、まあ、選択の余地なく一方的に襲われたということで…

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