【公的勇者】ソーサリー主人公が高卒公務員だった場合

スティーブジャクソンの傑作「ソーサリー」のプレイ小説。 愚痴と不満が渦巻くニヒリズムファンタジー

カテゴリ: 3日目(5月28日)

僕は金貨を1枚取り出し、乞食に渡した。

こういうことがあるから、手元に数枚は残しておきたかったんだよね。

 

金貨5枚の宿賃+食事代を、金貨10枚相当の宝石で支払った損失を、わずかながらも取り返した気分だ(無理にでもそんな気分になるぞ)。

 

受け取った貨幣を手で探り、それが金貨であることを知ると、この盲目の乞食は感激した。

「なんともったいない! このような広いお心に、このままではすまされません!」

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何をするのかと見守っていると、乞食はポケット手を入れた。

まさか「いにしえの勇者に封印されしこの姿、無垢なる者の念を込めた金貨により、ついに解呪の時を迎えたのだワハハハハハ!」みたいなことはないよな?

 

いちおう、魔法封じの呪文を使う準備をしながら待ち構えていると、彼はポケットから銅製の鍵を取り出して僕にくれた。

どうやら封印された魔王ではなかったようだと、僕はホッとした。

 

彼はかつて、このシャムタンティの丘を越えた向こうにある、カーレという街で牢獄の監守をしていたが、どうやらレッド・アイというヤツのせいでこんな運命になったらしい。

僕がカーレを通り抜ける予定だと話すと、とにかくレッド・アイに気を付けなさいと繰り返す。

きっと大事なことなんだ。

カーレはよそ者に用心深いとアドバイスをくれるけど、それは大丈夫、カントパーニから散々味わってきたよ。

 

「もしも警備の者に捕らえられても、この鍵さえあれば大丈夫です」

まさか、マスターキーか? まさかね。

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鍵には「206」という数字が刻まれている。

なんとなくリトグラフが頭に浮かんだ。

マスターキーが乱造されてて、これは206個目の複製品とかさ。

 

謎が深まったけど、とにかくカーレは要注意な街だってことだね。

環境問題的に言えば、人口が密集しているだけに、むしろカーレ周辺の一帯が怪しい気もするな。

不法投棄による地盤や水質の汚染とか。

バクランドを縦断するジャバジ河を渡る唯一の街だから、どっちにしても避けては通れない。

ジャバジ河流域の有害物質の状況とか、調べたいな、現実逃避のために…

 

ま、気をつけていくよ。

僕は乞食に礼を言って、立ち去った。

結局彼とクリスタタンティの関係性は謎だったけど、これ以上時間を割けないんで、悪いけど行かせてもらうよ。

 

(メタ記述)

金貨:5→4

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野良畑の農夫がそろそろ一休みしようとしてる光景が見えるから、もう午前10時ごろにはなってるのかな。

ずいぶん歩いたな。

早朝に出発したクリスタタンティがある中腹の丘も、もうここからは見ることができない。

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やや下りながらひたすら歩いているこの道だけど、この先で分かれ道になっていてさ。

クリスタタンティの居酒屋でボンバの実をくれた老人が教えてくれたとおりだ。

僕はここで、まっすぐ進むか西へ行くかを決めなければならない。

 

たしか、一方の道はアリアンナの家のそばを通るとか言ってたな。

そこでは頭を使うことになるんだってさ。

クイズ対決とか、ちょっとしてみたい。勝てば景品をもらえるだろうか?

装備が乏しいもんでね、もうちょっと充実させないと、後々キツいと思うんだ。

 

僕が今歩いているのは本道だから、もしもまっすぐ進むなら、これから先も本道に沿って歩くことになる。

アリアンナの店(あるいは家?)があるのは、どっちの道沿いだろうか?

選択をミスったら、きっと出会うことはできないだろう。

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対面販売型店舗で集客する重要な条件は、やはり立地だと思う。

とうぜん、人通りの多さで言えば本道が有利だよね。

 

でも、アリアンナがクイズ王で、クイズの店を開業するなら、本道の立地を選ぶかな?

たしかに人は多く通るだろうけど、そんな無難な場所にあるクイズの店って、なんかチープな感じがするよね。もう少し、謎めいていてほしい。

 

生活必需品の店じゃないからさ、「行きやすいけど、記憶に残らない」って結果になったら、人が多い通りで商売しても繁盛しないんじゃないかな。

そうなると本道の店なんて家賃ばかり高くて、投資の回収がおぼつかなくてさ、経営が苦しいと思うよ。

 

でもアリアンナについては、あの情報に乏しそうなクリスタタンティで口コミになってるほどだから、きっと根強いファンがいると思う。

ってことは、家賃安めの辺鄙な場所にオープンして、客単価もしっかりと高め設定にして、それなりに経営は成り立ってるんじゃないかな。

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だから僕は本道をそれて西へ向かうことにした。

待ってろよアリアンナ。

たとえプレイ代が多少高くても、僕は勝って商品を手に入れるぜ!

 

いちばん気がかりなのは、「アリアンナがクイズの店を出してる」ってのが、僕の勝手な願望にすぎないことだ。

ただの時間つぶしイベントだったら、目も当てられないよ。

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本当にアリアンナはこの道の先にいるのか?

クリスタタンティの居酒屋でアリアンナのことを教えてくれた老人に、店へのアクセスをしっかり聞いておけばよかったと後悔したが、そのときの僕ときたら、空きっ腹にエールで完全に酔っぱらってたもんでね。

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一応このあたりはダンパス地区に分類されていて、けっこう土地勘はあるんだけど、その僕が知らないってことは、たぶんアリアンナは比較的最近オープンした店じゃないかと思うんだ。

(あくまでもアリアンナがクイズの店を出してるという僕の願望ありきの前提でね)

 

本道から外れた道を歩き続けるうちに、やがてその道が消え失せた。

行く手には森が待ち構えている。

この先に、アリアンナはいるか?

居そうといえば居そうだし、さすがにこんな場所には居ないと思えば居なさそうだ。

無駄足だったらマズいな…

 

なぜなら、僕はシャムタンティの丘の南西に位置するアナランドから、北東の街・カーレに向かっている。

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つまり、左下から右上に向かっていくのが任務遂行上のマスト条件ともいえる。

その僕が西に向かって歩いているということは、せっかくプラス方向に稼いだX軸を放出していることになる。

成果が無ければ、ただの寄り道ってことになっちゃうんだよね。

 

道草食って1日消費したら、本庁に戻って復命するときの言い訳が面倒なんだよね。

 

あの腹立つ会計担当者(あだ名は『財務大臣』だよ)が口元をゆがめてさ。

「1日の旅程分だけ税金を垂れ流しとるんだ!」

なんて言いそうでさ。

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そう思うんなら、中抜きのためのカラ発注のほうに、ズバリと斬り込んでくれ。

なぜ弱い者にだけ強く出るんだ?

 

物資の乏しい僕は、機会があれば補充しながら装備を整えたい。

理由は、十分な装備が支給されないまま出発させられたからなんだけどさ。

調達業務まで、なぜ僕がやらなきゃならん?

それも旅先でさ。

 

ヤケになりつつ、それでも公務員の掟を恐れる僕。

おのれの身を守るため、引き返す算段をし始めたところで、一個の標識を見つけた。

その標識は、北を示していた。

書かれている文字はなんと!

<アリアンナへ>

ktkr・・・

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目的のアリアンナが、この先にいる!

僕はほとんど走るような速さで森の中を進んだ。

まだ陽が高い。たぶん正午前後だろう。

アリアンナへ寄って、暗くなる前にダンパスへ入って、宿屋でゆっくりしたい。

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今の手持ち金貨は4枚しかないから、果たしてダンパスで宿屋代が払えるかどうかは怪しい。

けど、アリアンナとのクイズ対決の賞金を横持ちして払えるかもしれないぞ。

ひょっとして、クイズ対決でダンパス宿泊券とかもらえるかもな…

もはや、アリアンナとの遭遇は、クイズ対決しか考えられなくなっている僕は、根拠のない確信のまま森をゆく。

 

やがて、もう1本の道と交差する地点に出た。

僕はさっきの標識の案内で、針路を北に変えて進んできたけど、この標識にはもっと丁寧に行く先が表示されている。

 

<西に向かえばアリアンナ。まっすぐ進めばダンパス>

これで“距離”が書いてあれば完璧なのにな…

今度は左折して西を目指すぜ。

 

任務上は、地図の左下から右上に進まなければならないので、ここで左折してあまり深入りすると、出張の復命のときに面倒なんだけど、目的がそこにあるとわかったからには気も楽だ。

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さいわい、標識から少し下ったところで、それらしき小屋を発見した。

まるで一枚の絵画のように、木々を背景にくっきりと浮き出たような佇まいだ。

花々が外壁を彩ってて、扉には華やかな模様が描かれてる。

一般家庭でこれだけのウェルカム感を出すことは、ちょっと考えづらい。

これは間違いなくアリアンナの店(家?)なはずだ。

 

小屋に近づいて扉を叩いてみたけど、返事が無い。

留守なのか?

時間が時間だけに、ちょうど昼休みなのかもね。

中に入ってみれば、受付にプレートかなんかで午後の開始時間が書いてあるんじゃないかな。

よし、入ってみよう。

 

扉を開けて小屋の中をのぞくと、内部はきちんと片付いていた。

全く予想してなかったけど、もしかしてここの住人は女?

ボタン早押しの、Tシャツ着た太っちょの男をイメージしてたよ。

黒ブチ眼鏡で白いハチマキ締めた感じのさ。

何かそういうの多そうじゃない? クイズ王って。偏見?

 

部屋の中央にはテーブルを囲んで椅子が置かれ、隅のほうにはマットレスが…

ボードゲームで熱くなって、寝落ち寸前でバタンと雑魚寝する感じなんだけど、女となるとちょっと違うかもな。

どっちにしても僕が期待していたクイズ対決っぽくなくい様子だ。

 

クリスタタンティの老人は「アリアンナが家にいたら頭を使わにゃならん」と言っていたけど、別にアリアンナがいなくたって今の僕は、この現実否定のために精いっぱい頭を使ってる。

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台所がやたら広くってさ、かなりの料理好きか、料理教室を開いているか、もしくは料理バトル?

アリアンナがクイズ王で、クイズ対決を仕掛けてくるっていう僕の妄想は、もう白旗を上げ始めていた。

 

そのとき

大きな食器戸棚の向こうから、女の鳴き声が聞こえてきたんだ。

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アリアンナが泣いているのか?

僕は見上げるほどの上背を持つ食器戸棚を回り込んで、鳴き声のする方へ向かった。

 

なぜかそこには大きな檻が置かれていて、中には若い女が閉じ込められている。

よく見るとかなりの美人…いや、飛び切りの美女だ。

これがアリアンナなのか?

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クリスタタンティの居酒屋で会ったしわしわの老人が、あの年でわざわざこんな遠くまで足繁くやってくる理由がわかった気がしたよ。

通っちゃうね、これなら。

おそらく、近隣のダンパス住民はもちろん、クリスタタンティをはじめ、遠路はるばる旅行してまでアリアンナに会いにくる男どもは、後を絶たないことだろう。

 

この部屋にある棚のどこかには、絶対にチェキが置いてある

1枚当たり相当なプレミアムを含んだアリアンナ価格が提示されているに違いない。

 

どんなサービスが主体なのかはまだ分からないが、客単価は相当高めなんじゃないかな?

おまけにここは本道から随分離れていて、家賃相場だって大分安いだろう。

間接費用を抑えつつ、十分な粗利を取れていることだろうね。

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やるな。アリアンナ。

やっぱり、美人は得だね。

 

…で、それはさておき、檻の中でアリアンナは何をしてるんだ?


まさか僕の来訪を察知して脱出ゲームイベントか?

クリスタタンティの老人が、前夜のうちに飛脚を飛ばして自分が口コミしたことを知らせ、目論みどおり僕が来店したらポイントゲットで次回来店時チェキ無料、とかいう仕掛けに乗っちゃったかなコレ?

 

バカを言っちゃいけない。

僕はお金ないんだ。

参加費がバカ高いならこのまま店を出るよ。

 

色々考えて出方をうかがう僕に、アリアンナは泣きながら嘆願する。

「旅のお方、どうかわたくしを檻から出してください!」

 

…ていう設定かな?

 

「あのいたずら好きなエルヴィンたちに、もう二日もここに閉じ込められたままなのです!」

そういうプレイを楽しんでるとかじゃなくて?

 

「どうかお助けくださいまし」

ましまし。


もしキミが二郎系でそれ言ったら「助けマシマシ入りましたぁ!」て、勢いの良い男子たちが、それはもう持て余すほど助けてくれると思うよ。

 

まあいいか。これなら頭を使うまでもなく、呪文を使えばこの程度の檻の鍵なんて簡単に開く

僕はアリアンナとムフフしてお金を使うためにここへ来たわけじゃなく、クイズ対決で物資をゲットすることを目的にしてたんだ。

とりあえず、このイベント達成の賞品が何かを知りたい。

 

「あなたさまがご無事で旅をお続けになれるよう、わたくしが力をお貸しもうしあげます。あなたさまの武器は魔法でしょうか、それとも武術でしょうか?」

ktkr(2回目)

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